【荒野に希望の灯をともす】鑑賞。
国葬をするならこのひと。だと。
まさににその通り、中国好きの松っちゃんさんの記事で拝見し、コチラでは都会より数カ月遅れて上映された。
中村哲医師 ドキュメンタリーの完全版
上映された映画館は、お向かいの【宝泰寺】ほうたいじが運営されているサールナートホールで。
サールナートとはお釈迦様がインドで初めて悟りを開いた地の名前。
聖地のひとつで、建造物があるらしい。
そのなかで
最初の干ばつ被災の写真が胸を打つ。
以前は川であったであろう干上がった場所でわずかに残る水・・ではない泥水だ、裸の幼児が四つん這いでその泥水を飲んでいる様子があった。
干ばつで農業ができず食糧不足、栄養失調にかかった子供たちが、喉の渇きを我慢できず泥水を飲むと、抵抗力が落ちているので赤痢などの感染症に簡単にかかり死んでしまう。
映画の本編の中でも、若いお母さんが何日もかかって幼い弱った子を抱え、中村医師の居る診療所に来たと言うのに、診察の順番を待ちながらも抱いた胸の中で亡くなってしまうこともあるという、ナレーションを聞いたとき嗚咽が出てしまった。
医療で人々を支えるのは限界、中村医師は井戸を掘り、用水路を建設する決断をする。
土木工学を独学で。
設計から施行まで。
現地人と過酷な自然を相手に何度も困難を乗り越えて。
イスラム勢力と戦闘の米国のヘリが空を飛んでいる。
そんな状況のなかで、無謀とも言える前代未聞の計画。
25.5キロの用水路を完成させていく。
【彼らは殺すために空を飛び、
我々は生きるために地面を掘る。】
本編中のこういう幾つかの中村哲氏語録が響いてくる。
業績が偉大過ぎるにもほどがある。
冒頭の言葉が浮かぶ。
あの世にお金も地位も持っていけないと。
広大な砂漠を緑に変え、なん百万の人々を救った功績を世に残した中村医師。
無条件の愛と究極の利他の心を見た。
敬服しかない。