ヒグチユウコ「ふたりのねこ」
愛しくて。
せつなくて。
「ふたりのねこ」が。
号泣した。
50を前にした、おばちゃんが絵本を読んで、大粒の涙を流してる。
横になったスタイルで。
身体を起こして、老眼鏡を外し、ティッシュで顔をふく。
日帰り温泉の、ドラえもんの押し入れをデザインしたような横になれる、一人部屋?で。
快適!を感じずにはいられないこの空間で。
部屋というほどの広さではないが、大人ひとりが横になれる程度の広さだ。
なんで、どうして、こんなに快適さを感じるんだろう。
大昔、人類の進化の途中のような時期に、洞窟で暮らしてたDNAの記憶からか、秘密基地みたいな、忘れた子供心を思い出すのか、ぜひ、ドラえもんに聞いてみたいところだ。
それぞれの空間(全部で8室ほど)には、決められたテーマに沿った本が、置かれている。
「丁寧な暮らし。質のいい時間」だったり
あとは美容をテーマとしたのもあった。
ここは、「やっぱりねこが好き」
猫に関する本ばかり、置かれている。
その中の一冊だった。
ヒグチユウコさんの描く絵は独特の世界観がある。
細い線で、描かれたねこ。
毛並みがよくて、おっきい目。
うっとりするくらい可愛い。
なのに、ミステリアスでシュール。
そんなねこが、絵本になってストーリーになっている。
持ち主の「ぼっちゃん」とはぐれて、突然ひとりぼっちになってしまった猫のぬいぐるみ「ニャンコ」。
そして公園でボロボロになった「ニャンコ」をひろってくれた野良猫の女の子「ねこ」。
物語は、ある夏の終わりに2匹の猫が出会うところから始まる。
ひとりっこのぼっちゃんは、いつでもぼくといっしょだったこと。どこにでもつれていってくれて、ねるときもまいばん同じおふとんだったこと。おきにいりのクレヨンで、ぼくの絵をたくさんかいてくれたこと。かなしいときは、ぼくにかおをうずめてなみだをふいていたこと。このお腹だってはじめはまっ白だったんだ。
「そのおうちさがそうよ」
ねこがニャンコに言います。
「そう、いっしょに。だからあたしたちかぞくよ」
(『ふたりのねこ』より引用)
飼い主の勝手で捨てられて、人間に不信感を持ちながらも、しっかりとニャンコの気持ちに寄り添うねこ。
一緒に過ごした時間は短くても、確かにかけがえのない家族だった。
もう、胸が苦しくなる。
この絵本は、大人が読んでも・・いや、ぜひ大人に読んで欲しい。
ねことニャンコみたいな、お互いを思いやれるダイヤモンドみたいな心を忘れないように。
私の、お気に入りのこちらの家族も紹介。
すごく癒してもらっている。
あっ今、思い出した。
ドラえもんも、もとは、猫だった。
正しくは、猫型ロボット。
そう言えば今年は年女だった。
新年のスタートは猫話から。