色あせたCDジャケット。
「いい歳超せるよ」
車の中で思わず口に出た言葉。
隣に座ってるのは、30年来の友人だ。
ハタチ前後に知り合い、よく遊んだ、朝まで飲んで語りつくしたりした友人。
30年来と言っても、ずっと付き合いがあった訳ではない。
結婚して家庭を持ったら、お互い連絡はとらなくなっていた。
それでも15年位前かな、住まいも変えず過ごしてる近況を電話で聞いていた。
がん告知された、2018年。
入院する1週間ほど前か。
耐えられなかった。
不安が募り、頼ろうとした動機から。
久しぶりに彼女の家を訪ねた。
適当な場所に車を駐車させると、彼女によく似た小学校低学年くらいの男の子がボール遊びをしている。
目鼻立ちがはっきりしてて利発そうに見えた。
しばらくして彼女が仕事場から帰宅してきた。
私の顔を見て驚いたのは言うまでもない。
少し話しただけなのに、すぐに飲み込んでくれて受け入れてくれた。
手術日の夜。
面会できないの、わかってて病院の駐車場まで来て車の中で祈ってくれてたらしい。
彼女も育ち盛りのふたりの男の子を抱えながら家事をこなし、父親の経営する会社の仕事を両立させてるのに
週末は必ず、お見舞いに来てくれた。
『なにか欲しいものがあったら言って、仕事はすぐに抜けれるから。』
って。
なんであんなに、食べたかったんだろうなぁ。
退院してから1度、食べたっきりでもう、3年は食べてない、モスバーガー。
彼女には
励まされたし、心強かった。
昨日は、港の鮨屋で彼女と彼女の子どもとランチ。
お見舞いに一緒に来てくれた彼女の子どもは、背が伸びてた。
それから、ドライブがてら百貨店行って過ごした。
色あせたCDジャケットのケースから取り出して昔一緒によく聞いた【bridge】を車の中かけた。
彼女の影響でCD、そろえたのが懐かしい。
耳から、一気にトシツキが埋まり先週も一緒に居たような、錯覚すらある。
ふたりでそう言って笑った。
似たような思考だから、昨今の感染症の向き合い方も共感できる点が多くてうれしかった。
会話は止まることが無かったし、久しぶりによく笑った。
ひとに支えられてる。
今年は特に、甲状腺腫瘍で手術入院の際は、はてなブログの皆様に励まされました。
無事に新居で1年、穏やかに過ごすことが出来ました。
有難うございます。
良いお年をお迎えください。